健康診断で糖尿病の疑いと言われました。
症状は無いけど治療は必要ですか?
糖尿病を治療する目的は①合併症を予防してQOL(生活の質)を落とさない、②健康寿命を延ばす、の2つになります。
糖尿病の初期はほとんど症状がありません。
ですが、症状が出てからでは治療が難しいため、早期発見し治療を開始することが重要です。
糖尿病の合併症(し・め・じ)
糖尿病の3大合併症と呼ばれるものが
- 神経症(し)
- 網膜症(め)
- 腎症 (じ)
です。
それぞれの最初の文字をとって”しめじ”と覚えます。
発症する順番もこのし→め→じの通りで、最初に神経症状(手足のしびれなど)からはじまり、腎症(腎不全、透析)は後になって出現します。
網膜症は進行すると突然眼底出血などを起こし、最悪の場合失明の可能性もあります(失明の原因の第2位が糖尿病性網膜症です)
腎症を発症して透析が必要になれば、最終的に週3回・長時間の透析治療を受ける必要があり生活の制限がキツくなります。
これらの症状は特にQOL(生活の質)に直結するものであり、かつ発症してからの治療は非常に難しいため予防が重要になります。
糖尿病は命に直結する血管の病気が増える
糖尿病を治療するもう一つの目的は健康寿命を延ばすことです。
糖尿病は命に直結する血管の病気を増やします。
血管の病気の例として
- 脳梗塞(脳卒中)
- 心筋梗塞、狭心症
などがあります。
症状がない初期の段階で糖尿病の治療を開始することで、これらの合併症を予防することができます。
また血管の病気を予防するためには、高血圧や高コレステロール血症など他の疾患も並行して治療することが大切です。
まとめ
「どうして糖尿病の治療をする必要があるの?」
の答えは、
糖尿病の合併症を予防してQOLを維持して健康寿命を延ばすため
でした。
健康診断で血糖値が高かった、という方は早めの受診をお願いします。