糖尿病の検査受けてHbA1cが高いって言われたけど、血糖値と何が違うんだろう?
健康診断などで糖尿病を判断する項目として、血糖値の他にHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)があります。
このHbA1cについて、基本から解説していきます。
HbA1cは最近1−2ヶ月の血糖値の平均をあらわす
Hb(ヘモグロビン)とは血液中の赤血球に含まれるタンパクで、酸素を運搬するのが役割です。
このHbは血中の糖ともくっつく性質があり、糖とくっついたHbを特にHbA1cと呼びます。
血液検査での血糖値は、測定した時点の値なので直前の食事の影響を強く受けます。
一方でこのHbA1cの値は過去1−2ヶ月の血糖値の平均によって変化するので、当日食事をしたかどうかは影響がありません。
仮に検査のために前日から食事を制限してもほぼ影響が無く、あくまでも1−2ヶ月の平均が反映されるため、糖尿病の診断や治療効果の判定に有用なのです。
- 血糖値=採血した時点の血糖値(直前の食事の影響あり)
- HbA1c=最近1−2ヶ月の血糖値の平均(直前の食事の影響なし)
糖尿病が強く疑われるHbA1c値は6.5以上
糖尿病と強く疑われるHbA1cの値は6.5以上です。
”強く疑われる”となっているのは、厳密にはHbA1cだけでは糖尿病の診断は確定しないためです。
糖尿病の診断にはHbA1cのみでは不十分で、血糖値が高いことの確認も合わせて必要になります。
HbA1cだけでなく血糖値で下の表にある「糖尿病型」が確認される必要があります。
(糖尿病ガイドライン2019より
どうしてHbA1cだけでは診断できないのですか?
HbA1cはとても便利な検査ですが、様々な理由で値が影響を受ける事があるため診断のためには血糖値と合わせて判断する必要があるのです。
いったん診断が確定してしまえば、食事内容に影響を受けないHbA1cは治療効果の判定に非常に便利になります。
まとめ
糖尿病の検査であるHbA1cについて血糖値との違いに触れつつ解説しました。
HbA1cは最近1−2ヶ月の血糖値の平均をあらわす便利な検査ですが、糖尿病の診断のためには血糖値と合わせて判断していくことになります。
直前の食事の影響がほぼないので、HbA1cの検査のために食事を抜く必要はありません。