糖尿病の治療薬として最初に紹介すべきお薬はメトホルミンです。
メトホルミン、またはメトグルコという商品名のお薬です。
このメトホルミンは50年以上前からある歴史のある薬ですが、現在も糖尿病の治療薬として一番最初に処方を検討すべき薬(第1選択薬)となります。
メトホルミンが血糖値を改善する仕組み
メトホルミンは、肝臓で糖が合成される(糖新生といいます)のを抑えます。
また筋肉に糖を取り込んだり、腸からの糖の吸収を抑えたりすることで血糖値が上がるのを防ぎます。
インスリンという血糖値を下げるホルモンに頼らずに血糖を下げる、というのがメトホルミンの特徴です。
メトホルミンのいいところ
インスリン(血糖値を下げるホルモン)に頼らずに血糖を下げるため、メトホルミン単独では低血糖を起こしにくい(全く起こさないわけではありません)というメリットがあります。
また体重が増えにくく、むしろ体重が減る人も多く、肥満体型の方には相性が良いです。
メトホルミンは価格が安いことも特徴であり、1錠約10円程度です。
最近の新しい糖尿病薬は1錠100-200円以上するものも多く、それらに比べるとかなり安いです。
糖尿病の薬は長期間飲み続ける必要があるため、お薬代が安いというのも重要になります。
メトホルミンの副作用
メトホルミンの副作用として最も多いのは下痢や吐き気などの消化器症状です。
症状が出現した場合は薬の量を減らしたり、他の薬を検討することになります。
また、重篤な副作用として「乳酸アシドーシス」というものがあります。
これは乳酸という物質が体内に異常にたまってしまうことで、強い倦怠感などが出現します。
乳酸アシドーシスは脱水状態や、腎機能が悪い方、高齢の方などで出現しやすく、メトホルミン内服中に体調が悪くなった場合は早めに医師に相談しましょう。
まとめ
糖尿病の内服薬であるメトホルミンについて解説しました。
昔からある薬ですが、有効性、安全性、経済的などの観点から現在でも第1選択薬となっている重要な薬です。
とても良い薬ですがやはり副作用が出る場合があります。
メトホルミンに限らず、糖尿病の薬を飲みはじめてから体調が悪くなった場合には早めに医師に相談するようにしましょう。